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2024.05.09
かけ算と割り算の意味を考える
小学校低学年で習う「かけ算」と「わり算」。
これを計算式として覚えるのと、意味まで覚えるのとでは今後の数学人生が変わってきます。
たし算、ひき算は具体的なイメージがしやすいのですが、かけ算、わり算、は具体的にイメージができない生徒が一定数います。
◯かけ算と割り算の意味を考える
・かけ算の意味
ある決められた数が何グループあるか、を計算するものがかけ算です。
4かける3は12 (4×3=12)
3かける4は12 (3×4=12)
同じ結果の数字ですが意味は異なります。
よく小学校の問題で文章題を解く際に回答用紙に途中式を書いて✖️をもらった!と問題になるものです。
4かける3の意味は4つのものが1グループになって、その1グループが3つある、という意味です。
3かける4の意味は3つのものが1グループになって、その1グループが4つある、という意味です。
答えは一緒ですが意味が違いますよね。なので、途中式を正しく書けないと文章題の意味を捉えられていない、ということになり間違えとなります。
九九を式だけで覚えると、答えが一緒だらから同じでしょ!という生徒がいますが全然意味が違います。
これを理解しないまま小学校高学年、中学生と成長していくと文章題が出てきたときに、正しく立式ができなくなってきます。
数字で具体的にイメージができないのに文字式が出てきた際にイメージできるわけがありません。
・割り算
同じように割り算もです。
12わる3は4(12÷3=4)、というのは12個あったものを「数を等しく」3つに分けると1グループ何個のグループになるか、という意味です。
この「数を等しく」3つに分ける、という意味を逆に3個ずつにわけると何グループになるか、と覚えてしまうと間違えです。
言葉で、わる、わける、何倍すると、いくつあるか、など説明があってもイメージが湧いていなければ立式はできません。
数学が苦手になるのは結局立式ができるかどうかです。
文章や質問の意図を理解して解き方がイメージできるかどうか、何を求めなければいけないかをイメージできるかどうかです。
計算問題は以前も書いていますが、手順を覚えて、手順通りに進めればできます。
差が出てくるのは解き方の道筋がイメージできるか、文章から立式ができるかどうか、です。
◯どうすれば良いか
では、この考え方を身につけさせるにはどうするか、ですが「絵を書かせる」指導をしています。
かけ算なら、1グループ何個を何グループ書くと全体の個数になるか◯を書いてイメージしてもらいます。
割り算も、最初に何個あって、何個のグループに分けると、何グループになるか、書いてもらいます。
具体的に式の意味と絵でイメージをリンクしてもらっています。
なんでも文章を読んだら頭で考えているだけではなく、イメージとしてノートに絵を書いてもらい、そこから立式する練習を小さい頃から繰り返してもらいます。
ノートが答えだけの生徒には、具体的にどう考えたのか絵を描いてもらいます。
本当にできる子は絵をかけますが、怪しい子は立式も勘で解いているに過ぎません。
なんでこの式になったの?という問いに答えられません。
小3からすでに差が開き始める少し怖いお話です。
◯まとめ
今回はかけ算と割り算の意味について考えてみました。
中高生になっても文章の意味がイメージできない生徒は多いです。
数学はイメージで解く、と指導しています。計算問題は数学ではないと思ってます。
<参考リンク>